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スタッフブログ

特別展示 中国青銅器 形と用途

会場:展示室 1

会期: 2022.04.26火 ~ 07.24日

館蔵の中国青銅器20件の中から、3つのテーマを3会期に分けて展示いたします。

第一弾は「形と用途」と題して、祭祀に使用される「食器」・「酒器」・「水器」・「楽器」を紹介します。

出品リスト

紀元前1600年頃、古代中国の王朝 夏が湯王によって滅ぼされ、商(殷)が建国されました。このころ青銅鋳造の技術が高度に発達し、商から周時代にきわめて優れた青銅器が多数製作されました。

商周時代は祖先神を(まつ)卜占(ぼくせん)を重視して(まつりごと)が行われ、宗廟で祭祀を執り行う際に青銅製の容器や楽器を使用しました。これらは常に宗廟に備えられた祭器で「彝器(いき)」と呼ばれます。

商周時代の祭祀では、煮込んだ肉や酒を神前に供えるための食器や酒器が重視され大量に製作されました。

【食器】

(てい) ― 丸い鍋形の容器に三足、両耳(把手)を備えている器。炭火にかけて肉を煮込むためのもの。

(げん)(れき)(袋状の三足がついた湯を沸かす器)の上に、耳のついた(そう)((せい)(ろう))が載る形の蒸し器。

鬲と甑の間に簀子(すのこ)があり、鬲に入れた水を熱して、甑に入れた穀物を蒸しました。

【酒器】

商時代は特に酒器が発達し、温酒器や飲酒器など数多くの種類が作られました。

(そん) ― 酒を入れる容器。尊はもともと酒器の総称でしたが、宋時代(960~1279)以降、口が開き、胴のふくらんだ器形を指すようになりました。商~西周代の主要な祭礼器。

(しゃく) ― 二柱・(りゅう)(注ぎ口)・()(はん)(把手)を備えた三脚器。火にかけて酒を温める器。

( ― 酒器を重視した商代に出現した、ラッパ状に開いた口で裾広がりの圏足をもつ筒形の 酒盃。爵とともに商後期に盛行しましたが、西周初期から急速に衰えました。

【水器】

祭祀の前に手を清めるための器

() ― 長い注ぎ口と把手を有し通常は四足ですが、三足・圏台・平底のものもある楕円形の器。西周後期~戦国時代、祭祀のとき水を注いで手を清浄するのに用い、その落水を盤 (洗面器状の容器)で受けました。

【楽器】

西周時代以降、祭祀の場で演奏する楽器も多くみられるようになります。

(しょう) ― 吊るして下部を叩き、音を出す打楽器。 下底部は弧状で、横断面は杏仁形。 神聖な音で邪気を払うことから演奏することへ用途が変化し、西周後期より音階を形成する大小多数の鐘を横木に掛ける(へん)(しょう)が登場しました。