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スタッフブログ

松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.2 霊獣の文様

霊獣の文様しるし
会場:展示室4
会期:2022.08.02 火 ~ 10.23 日

現代には、空想上のいきものたちが様々な場所に息づいています。古代中国を発祥とし、日本でもなじみの深い龍や鳳凰、麒麟、獅子などは、吉祥をもたらす存在として霊獣あるいは瑞獣と呼ばれ、多くの工芸作品にその姿と思想が刻まれてきました。彼らの誕生と幾度もの変遷、現代まで繋がれた生命の源にひそむのは、私たち人間の心ではないでしょうか。

本展では、中国の銅鏡をはじめ、青花や五彩などの陶磁器、玉の作品を通して、霊獣の文様についてご紹介します。霊獣たちが織り成す様々な表情や変遷をたのしみながら、人間のこころのうちにあり続ける思いに触れていただければ幸いです。

■ 霊獣のすみか -天界

龍や鳳凰をはじめとする霊獣たちが姿を現した場所は、われわれの住む世界とは別の空間「天界」でした。とりわけ古くは、最古の地理書といわれる『山海(せんがい)(きょう)』に、伝説的な地理とそこに棲む神々、生きものたちについて著されています。その世界は、中国文化の重要な思想をいくつも誕生させた源泉とも言えます。

第一章では、生きものたちの文様が発達した青銅器から銅鏡を取り上げ、さらに漢・唐時代の副葬品とあわせて、天界や古き霊獣たちのすがたについてご紹介します。


天馬鳳凰文鏡
唐時代

■ 天のまなざし -麒麟

霊獣のはじまりは、人びとの「吉祥」への願い。おめでたいことや幸福への思いが天界や魂の行く末をつくり、霊獣たちはその象徴として成り立ったと考えられてきました。漢時代以降、「吉祥」は「瑞祥」という言葉で次第に政治と関連づけられていき、霊獣もまたその色合いを帯びていきます。すなわち、為政者の徳が高く善い世のもとに姿をみせる、吉祥のしるしとされたのです。

本章では、優れた王者のもとに現れるとされた麒麟、後に皇帝の象徴に昇り詰める龍をご紹介します。

青花雲龍文扁壷
清時代 乾隆期 景徳鎮窯

■ 厳かな存在 -龍と鳳凰

龍は、古来より雨の恵みを与える神性を、遂には皇帝権力を示す性格をも吸収して、その体躯にあらゆる徳を備えていきます。そして、鳳凰もまたそれに並ぶ存在としてよく知られています。龍と同様に、青銅器時代は饕餮の使者であり、様々な動物たちの特徴を組み合わせた姿で表現されます。

両者は、皇帝と皇后、または陽と陰を象徴する存在として描かれ、ともに冒しようのない最高位の尊厳とを確立しました。人びとの思想と想像が集積し、理想そのものとなった龍と鳳凰の織り成す世界をおたのしみください。

豆彩龍鳳文大盤
大清雍正年製 景徳鎮窯

■ 変わらぬ願い -獅子

獅子は、これまでとは違い地上に棲息する実在の動物がモデルになっています。中国で獅子と呼ばれるところのものは、西に棲息していた獣の王・ライオンが「狻猊」「僻邪」として展開されてきたものの一種です。中国には生息しておらず実際に目にすることのなかった動物は、猛々しく強靭であるイメージだけが膨らみ、邪悪なものを振り払う守り神として定着していきました。

最終章では、神秘的な力が宿るとされた玉作品を通して、人びとの願いに寄り添った獅子の姿をおたのしみください。

碧玉獣耳鐶獅子鈕香炉
清時代

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