- 明治27年(1894)
- 1月8日、東京・築地の小田原町に米穀商の三男として生まれる。
- 明治45年(1912)
- 東京中央商業学校を卒業、銀座の矢沼商店に入社。
- 大正6年(1917)
- 独立し、貿易商・松岡商店を設立
- 大正12年(1923)
- 江東製氷株式会社(現 松岡冷蔵株式会社)設立
- 昭和7年(1932)
- 松岡合資会社(現 松岡地所株式会社)設立
- 昭和41年(1966)
- 新宿セミナー開校
- 昭和45年(1970)
- 新宿美術学院開校
- 平成元年(1989)
- 3月20日、死去、享年96(満95歳)
「人はどんなに偉くなっても、やがて忘れられる。そこへいくと、古代の第一級の美術品はずっと後世に残る。自分が集めたものを、未来の人々に鑑賞してもらう。これが私の夢ですよ」
清次郎は80歳を契機に「これまで自分のためだけに蒐集してきた美術品を一般公開し、広く愛好家に楽しんでいただこう」と美術館設立を決意し、昭和50年(1975)11月、東京港区新橋の自社ビル内に「松岡美術館」を創設しました。
その後もコレクションは増え続けたため、東京両国にビルを建設し、その中に規模の大きな新美術館を入れる計画を立てていましたが、志半ばにして亡くなりました。遺志を継いだ遺族が選んだ場所は、お気に入りだった港区白金台の自宅でした。平成12年(2000)4月に新美術館が完成し現在に至っています。
26~8歳(大正9~11年)の頃、本所(両国)の東京美術倶楽部で川端玉章の絵を100円で購入したのがコレクションの始まりでした。平山堂の高橋清作氏の指導のもと玉章、玉堂、大観などの新画から抱一、常信、元信などの古画へとコレクションを伸ばし、さらには「いつかは茶道をたしなみたい」と茶道具へ、やがて実用陶器よりも鑑賞陶器に魅かれるようになり、中国陶磁器を蒐集し始めました。
「以前の日本には、陶芸としての美術品はなかったように思います。
茶道においても日本人というのは"しぐさ"を重んじる国民なんですね。」
ロンドンやニューヨークのオークションには壷中居の横井周三、笹津悦也両氏の案内で1972年頃から行くようになり、やがて一人でオークションに参加するようになりました。古代アジア彫刻の蒐集の始まりは1972年のヒンドゥー教神像三体の購入でした。翌年インド旅行をしてからさらに蒐集欲が高まり、購入に積極的になりました。1974年頃にはすでに中国陶磁器はかなりのラインアップを誇っており、古代オリエントの文物へと蒐集の幅を広げていきました。
当館は松岡地所株式会社の美術部門として運営されています。行政主導ではない私立美術館にはフットワークが軽い、館の個性を発揮させやすい、お客様の声を館の運営に反映しやすいといったメリットがあると考えています。
当館の所蔵品は全部で1800点余りですが、そのほとんど全て、清次郎が一代で購入・蒐集したものです。90歳を過ぎても自らオークションや団体展に出かけて吟味し、一度買ったものは一点も手離したことがありません。また、生前の清次郎のポリシーを踏襲し、寄託や寄贈、他館から借りての特別展も行ないません(ただし、貸出は行ないます)。
「私は私立美術館というものは、美術品を蒐集した館の創立者或いは一括寄贈した蒐集家の美に対する審美眼なり鑑識眼を、その一つ一つの美術品を通して一般観者に訴えるべき一つの場所と考えるからです」
所蔵作品は「東洋陶磁」、「日本の近代絵画・現代絵画」、「中国の明清書画」、「フランス近代絵画」、「ヴィクトリア朝絵画」、「ガンダーラ仏像やヒンドゥー教神像などの古代東洋彫刻」、「現代彫刻」、「古代オリエント美術」など他の私立美術館と比較して多岐に亘っています。これは清次郎の"今日本にないものを日本で気軽に見られるように"というサービス精神と、"ジャンルに関わらず良いものは良い"という美へのこだわりによるところが大きく、「雑多すぎる」との批判がある一方で、「古今東西の蒐集品全てに共通点が見られる」という評価もいただいています。
- 「お客様に監視の目を気にせず、ゆったりと鑑賞していただきたい」という思いから、展示室内には監視員を置かず、モニターによる監視を行なっています。お話し声など、マナーのご配慮をお願いします。
- カメラによる撮影、デッサンをご自由にしていただけます。ただし、あくまでも他の方のご迷惑にならないよう、フラッシュ撮影およびデジカメであれば操作音は厳禁です。また、作品にインクがかかるという万が一の事態を避けるため、デッサンに限らず、館内では鉛筆以外の筆記具のご使用は禁止しています。
- アンケートで「目障りな解説板が少なくてよい」というお褒めの言葉と「もっと解説があるとよい」というご要望をいただき、その両方をかなえる折衷案としてQRコードによる解説を設置しています。携帯電話をマナーモードにしてご利用ください。





